BOSS DS-1は約40年前に誕生して以来、いまだに販売されているロングセラーのエフェクターです。ここでは、DS-1の音やセッティング、銀ネジ日本製DS-1の販売・買取価格などを紹介します。

BOSS DS-1の歴史


DS-1はローランドのエフェクターブランド・BOSSが生産販売するコンパクトエフェクターです。電子回路は基本的なディストーションの構造設計ですが、同じくディストーション系コンパクトエフェクターのProCoのRATなどに影響を与えました。

 

1989年に後継機のDS-2が開発されたためDS-1は一度生産終了します。しかし、多くのギタリストの要望から2001年に再度復活。2017年にはブラックの限定モデルが出るなど、いまだに話題に上がる機会の多い人気エフェクターです。

BOSS DS-1の評価・レビュー

1978年の販売開始時、DS-1は従来のエフェクターにはないサウンドを表現したロックシーンに衝撃を与えました。数か月前に発売したOD-1と比べて歪みの強さに驚くギタリストも多かったようです。

 

マイケル・シェンカーやエディ・ヴァン・ヘイレンなど、ハードロックやヘヴィ・メタルブームの追い風もあり、DS-1はメタリックな歪みの定番エフェクターとして普及します。

 

低音域から高音域までをまんべんなく強調するため、DS-1は音作りがしやすいです。中音域だけ過剰に歪ませすぎないディストーションサウンドは、シングルコイルピックアップとの相性も抜群。シンプルなサウンドと汎用性が多くのギタリストから愛されています。

 

ちなみに、DS-1は発売当初はノイズの少ないディストーションと呼ばれていました。近年はノイズが多いという評価も多いですが、当時からすると画期的なコンパクトエフェクターだったのです。

現行のBOSS DS-1(台湾製)

2001年に復刻してからのDS-1はすべて台湾製です。古い日本製のサムスクリューが銀ネジなのに対して台湾製の現行品は黒ネジに変わっています。

 

また、日本製と台湾製のDS-1を比較すると、サーキット回路・内部配線の設計自体は変わっていません。ただし、ただし台湾製のコンデンサが銀色(三菱製M5223AL)なのに対し、日本製は緑色(東芝製TA7136AP)の部品を使っていました。

 

現行品のDS-1は台湾製よりもゲインやトーンの可変幅が狭いという意見もあります。また、日本製のほうがヴィンテージ感のあるマイルドな音で、現行の台湾製のほうがモダンでシャープだというレビューもありました。

BOSS DS-1の使用アーティスト

DS-1は多くのアーティストから愛されるエフェクターです。特に、1980年代はDS-1を使って数多くの名曲を演奏するアーティストが多数いました。

カート・コバーン(NIRVANA)

DS-1の使用アーティストと言えばNIRVANAのカート・コバーンです。インディーズ時代のアルバム『BLEACH』時代の音作りに使っていました。アンプに頼らず、エフェクターだけで音作りをしていた点にグランジサウンドに秘密がありそうです。

 

カートはフェンダー・ジャガーを使用していました。ただし、ピックアップを改造してハムバッカーに乗せ換えていたため、スタンダードなジャガーのサウンドではありません。

 

カートのDS-1の音作りですが、ボリューム・ゲインをMAXにしていたと言われています。カートが使用していた日本製のDS-1は、スイッチオン時に音量が下がりました。現行品では音量が上がり過ぎてしまうため音量差が出ないようにツマミを調整しましょう。

 

ちなみに、アルバム『NEVERMIND』時代はすでにDS-1が壊れてしまい、やむなく後継機のDS-2を使っています。

エディ・ヴァン・ヘイレン

エディ・ヴァン・ヘイレンもライブやレコーディングでDS-1を愛用するギタリストの一人でした。

 

エディは、ストラトキャスターを大幅に改造した通称『フランケンシュタイン』とDS-1を組み合わせて使用しています。NIRVANAのカート・コバーンと同様、ハムバッカーピックアップのギターを歪ませている点が特徴です。

 

ストラトキャスターのページでも紹介していますが、1970年代のストラトキャスターは品質が低いと言われていました。理想のサウンドをギブソン・ES-335と考えるエディですが、ハードロックで箱モノギターを歪ませるとハウリングが起きます。そこで、ストラトキャスターを改造して自分の理想とするサウンドを実現しました。

 

ちなみに、同じくハードロックやヘヴィ・メタルのギタリストイングウェイ・マルムスティーンもストラトキャスターを改造しています。時代はハードロック全盛期だったため、フェンダーギターを使って強烈なディストーションを表現するアーティストも多かったのです。

BOSS DS-1の音・セッティング

DS-1はシンプルな故に音作りが難しいエフェクターです。定番の使い方やセッティングのやり方を見てみましょう。

BOSS DS-1の使い方

DS-1の使い方を紹介します。ツマミごとの機能をまとめました。

 

LEVELツマミはボリュームの調整です。ツマミ半分(12時前後)くらいの状態がアンプとの音量差がない状態になります。ギターソロ用に使うならもう少しツマミを右に回してください。

 

TONEツマミは高音域の強さの調整です。左側に絞るほど音色がこもり、右側に開くほど高音域の強い音色になります。真空管アンプでは9時状態でも十分ですが、アンプやギターに合わせて調整しましょう。

 

DISTツマミは歪みの強さの調整です。MAXの状態にすると強烈なディストーションサウンド、ツマミを半分くらい(12時状態)にするとオーバードライブのようなひずみが表現できます。

BOSS DS-1の足元セッティング

DS-1を使うときは単体で歪ませるギタリストと、前段や後段にオーバードライブやブースターを置くセッティングをする人も少なくありません。目的は音痩せ対策やDS-1の音量アップ、アタック感の補強などさまざまです。

 

前段・後段のセッティング事例を目的別に探してみました。

 

・前段にFulltone OCDでアタック感を出す

・前段にBOSS OD-3でアタック感を出す

・後段にZ.VEX Supar hard Onで音量アップ

・後段にTOXIC RC boosterで音量アップ

 

ギターアンプがローランド・JC120かマーシャルJCM2000か、あるいは別のアンプなのかで音作りは変わります。上記セッティングを参考にいろいろ試してみてください。

 

ちなみに、マーシャルのアンプの音作りとBOSS DS-1の相性は別のページでまとめました。ぜひ参考にしてください。

DS-1のクランチの音作り

DS-1を使ってクランチサウンドを作りたい人もいます。エフェクターを買うお金がないなら別ですが基本的にはおすすめしません。

 

クランチ程度の軽い歪みを表現するなら同じBOSSのOD-3やBD-2など、オーバードライブのエフェクターを使用しましょう。DS-1はディストーションサウンドを表現するための基本設計になっています。ギターアンプの自然なクランチやオーバードライブを再現する目的ではありません。

 

ただし、keeleyモデファイ(改造)のDS-1はクランチの音作りがしやすいです。DISTのレベルコントロールによって歪みの量の調整がしやすくなりました。純正品のDS-1とは別のエフェクターと考えておくとよいでしょう。

BOSS DS-2との違い

DS-1の後継機がBOSS DS-2(TURBO Distortion)です。二つのエフェクターの違いを比べてみましょう。

DS-2の違いはモード選択ができること

DS-2は歪みのモードを切り替えるツマミが増えました。歪みの種類を切り替えるツマミがTURBOモードです。

 

DS-2のモードIはDS-1と同様のエフェクターを目指して設計されました。基本的なサウンドは、DS-1とDS-2どちらもエッジの効いたドンシャリトーンのディストーションです。ただし、DS-2はトーンの効きや歪みの量がDS-1より少し弱いという意見もありました。

 

DS-2のモードIIはギターソロ用に開発されたコントロールノブです。たとえば、ジョン・フルシアンテ(Red Hot Chili Peppers)はモードIIを使っています。中音域が強調された粘り気のあるサウンドが特徴的です。

DS-1のほうがDS-2より人気

DS-1とDS-2の違いはTURBOモードの有無です。また、サウンドの傾向が異なります。

 

TURBOモードによるバリエーションを考えると、DS-2のほうが音作りの幅が広がります。でも、DS-1はDS-2よりも歪み量の幅やトーンの効きがよいです。唯一無二のサウンドを出せる点でDS-1を選ぶギタリストも少なくありません。

 

販売価格もDS-1のほうが安いです。DS-2のTURBOモードを試奏してしっくりこない人がディストーションエフェクターを選ぶ場合、DS-1にしたほうがよいでしょう。

初期型のBOSS DS-1(銀ネジ・日本製)

1989年までのDS-1はヴィンテージ価値が高いエフェクターです。その特徴や買取価格を紹介します。

初期型のDS-1の特徴

初期型のDS-1は現行品と違います。本物を見分けるためにもひとつずつ特徴を見てみましょう。

初期型は日本製である

初期型のDS-1は日本で作られていました。BOSSが台湾に工場を作ったのは1986年のことです。ちなみに、DS-1が生産完了になるのは1989年なので、日本製後期と台湾製後期が混在している時期が数年間あります。

電池交換部のスクリューが銀ネジである

初期型のDS-1の一番わかりやすい外見的違いは、電池交換用のふた(フットスイッチ)の部分のスクリューが銀ネジであることです。全角ハイフンが長い日本製や台湾製の現行品のDS-1は黒ネジになっています。

ロゴが全角ハイフン(長い)

初期型のDS-1をよく観察すると、「DS-1」のハイフンの部分が少し長いです。現行品は半角ハイフンになっています。残念ながら銀ネジにパーツを交換しただけで「日本製」と謳う楽器屋さんやオークション業者もいますが、全角ハイフンになっていることを確認しましょう。

スケルトンスイッチである

DS-1のフットスイッチ部分を空けると、スイッチ部分がスケルトンスイッチになっています。スイッチ部がスケルトンかは、フットスイッチを空けないとわかりません。外見だけで日本製DS-1の判断が難しいときに確認しましょう。

LEDが一瞬だけ点灯する

初期型のDS-1はフットスイッチを踏んだ瞬間だけ点灯します。電気回路をいじる必要があるので外見だけで判断できないときは試奏して確認してください。ちなみに、現行品は踏んでいるときにLEDが常に点灯しているためオン・オフがわかりやすくて便利です。

シリアルナンバーの数字が違う

日本製でも銀ネジ・黒ネジのDS-1は混在しています。また、台湾製でも生産完了以前のDS-1があり、ヴィンテージの見極めは難しいです。

 

当時のBOSSのエフェクターのシリアルナンバーは4ケタ表記でした。最初の一桁はローランドが誕生した1972年を「1」と起算し、年ごとに1つずつ数字が上がります。2ケタ目以降はロットごとに数字が上がります。

 

ちなみに、DS-1は1978年に誕生したエフェクターなので1ケタ目のシリアルナンバーは「7」か、以降はその年度に応じてケタが変わっているはずです。

初期型のDS-1を確認する方法

実は、シリアルナンバーからDS-1のヴィンテージ価値を調べることは可能です。

 

DS-1に限らず、BOSSのコンパクトエフェクターはフットスイッチ部分の蓋を開けるとシリアルナンバーが記載されています。シリアルナンバーをBOSS Pedal Serial Decoderのサイトに入力してみましょう。いつ発売したエフェクターかわかります。

 

見た目はヴィンテージのDS-1だけど心配なときは以下サイトより確認してください。

参考ページ:BOSS Pedal Serial Decoder

BOSS DS-1(日本製・銀ネジ)の買取価格相場

日本製・銀ネジのDS-1はヴィンテージ価値が高いエフェクターです。

 

日本製・銀ネジの買取価格の相場ですが、4,000~8,000円と楽器屋さんやリサイクルショップによって異なります。もし10,000円を超えるなら超高価買取の楽器屋さんです。美品状態であること、きちんと動作すること、箱があることなどは条件となります。

 

一方、2001年以降の復刻版DS-1(台湾製)は1,000円から1,500円が買取価格の相場でした。現行品が普及しているからですがヴィンテージ価値はありません。リサイクルショップでは二束三文の買取価格になってしまうので楽器屋さんで売りましょう。

 

なお、DS-1以外のBOSSのエフェクターの買取相場は別のページで相場をご紹介します。エフェクターを売りたい人は参考にしてください。